仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
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「夜見理優さんですよね? 今、おひとりですか?」

バルコニーに座って火照った体を冷やしていると、ふいに声をかけられ、肩が跳ねた。

振り向くと、そこにはにこにことした若い男性の姿が。


「こんな綺麗な人を放っておくなんて……夜見社長はひどいですね」

「……あ、いえ。主人は少し席を外しているだけで、すぐに戻りますので」

「えー、でも寂しいでしょ? 俺が相手してあげましょうか」

「……っ、結構です」


強めの声で断ったのに、彼がはそう言って私の隣に腰を下ろしてきた。

ふわりと流れてくるのは、きつい香水とアルコールの匂い。
統悟さんとは全く違うそれに、ぞくりと寒気がした。


「……お気遣いありがとうございます。ですが、本当に、主人が戻りますので」

精一杯の拒絶を込めて体を離した。

すると、それが気に入らなかったのか、相手がぐいっと肩を掴んでくる。


「夜見社長ねぇ。……あの人、ヤバい噂たくさんありますよね。確かに金も地位もあるんだろうけど、理優さん、怖くないんですか?」

すぐに否定したいのに、恐怖で声が出てこなかった。

「きみには、あんな男より、もっとこう……楽しい刺激を与えてくれる相手がいいんじゃないかな……。たとえば、俺みたいな」
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