仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

きちんと彼女の話を受け止めたいと思うのに、感情がコントロールできずに遮ってしまう。

……傷つけられておきながら、その相手の心配をするなんて。

きみのそういうところがどうしようもなく好きで、どうしようもなく憎らしい。

「いえ、……たた、普通に話しただけです。何もありません。五十嵐くんも謝ってくれましたし……」

「では、なぜ会う前に俺に言わなかったんですか」

「申し訳ありません……。五十嵐くんの名前を出したら心配、かけると思って……内緒にしていたんです……」


────心配?

冗談じゃない。

四日間、片時も忘れずきみを想っていたのに。
きみはきみを傷つけた男のために時間を割き、挙句、俺の知らない場所でふたりで……。

激しく突き上げる感情を、なんとか押さえ込む。

偽装の上で成り立っている関係だ。
こんなことを言う資格はない。

君が誰に会おうと、誰を許そうと、俺が口を挟む権利なんてどこにもない。

そうやって押さえ込んだはず────だった。

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