仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
出勤停止……?
異動……?

「あなたが提出するべき書類はこのファイルに全て入っておりますので。それでは」

沖野さんはそう言うと、そのまま背を向けてしまった。

「ま……待ってください。どうしてそんな……統悟さんは、社長は、このことを知っているのですか?」

縋るような思いで尋ねた私に、沖野さんは冷たく笑うように目を細めた。

「知っているもなにも、社長からの直々の処分ですよ」

「……へ……?」

「ああ、それと。これは夜見社長からの伝言です。……『お前には失望した。離婚してくれ』と」

頭の中が、真っ白になった。
なにか重いもので殴られたみたいだ。

「そんな…………」

「社長はすでに、新しいコンシェルジュの手配も済ませています」

「っ……」

「あなたの荷物は、後ほど現住所に配送しますので、もう、クラルテへは帰らないように。話は以上です」

身に覚えのない悪意の羅列。
好きな人からの拒絶。

膝から崩れ落ちそうになるのを、震える拳を握りしめて耐える。

涙で視界が歪み、自分が立っている場所さえわからなくなる。


そんな中、スマホに一件の通知が入った。

差出人は、─────夜見統悟。
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