仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
私は言葉を失ったまま、その目をただ見つめ返すことしかできなかった。
今の言葉は……つまり、私を好きでいてくれている、ということだろうか。
「なんてな。冗談だよ。じゃあまた明日」
「え? ……ああ、うん、また明日」
軽く笑いながら背を向ける五十嵐くんをぽかんと見送る。
なんだ冗談か。一瞬本気にしちゃった。
ため息を吐ついた矢先、スマホが鳴った。つい先ほど思い出したばかりの母からだ。
「もしもし? どうしたのお母さん?」
『いやね、別に大した用事じゃないんだけど、今日はほら、お父さんが地主の総会に出向いてるからさあ、暇だしあんたの声でも聞こうかなと思って』
「ふふっ、なにその理由」
『ねえ、いい人いないの? お母さん、早く孫の顔見たいなあ。お父さんとも毎日話してるんよ』
「も~またそれ? 気持ちはわかるけど、すぐには難しいよ、仕事も忙しいし……。でも、まあ、いつかいい報告ができるように頑張るね……!」