仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
……ああ、そういうことか。
ひと呼吸おいて、すべてが腑に落ちた。
たしかに私の父は、今でこそ一等地と呼ばれる場所に広大な土地を持っている。
もともとそれほど価値のある場所ではなかったから長く手付かずのまま残っていたけれど、最近になって突然何件もの売買の話が持ち込まれるようになったのだ。
父も手放すこと自体は視野に入れていると聞いたことがある。
ただ、やはり先祖が残した土地だからと、迷う部分もあるんだとか……。
言われてみれば、現在における立地のよさと広さを持つ以上、商業的価値は計り知れない。
数々の都市開発を手掛ける不動産会社のトップに立つ彼が、目をつけていないわけがなかった。