仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~

「ええと、つまり……とある事情でもう恋愛はしたくないのですが、私の両親は私が結婚することを望んでおりまして、期待を裏切りたくないという気持ちが大きく……」

「…………」

「だ、だからといって、不誠実な気持ちで結婚を受け入れたわけではないんです……っ、ただ、誰かを愛したり愛されたり、そういうのがなくても成り立つ関係のほうが、私には向いている気がして」

「…………」

「それに、玉の輿に乗りたいという考えも全くないってことはなくて。両親にとっては、私が裕福な方と結婚するのはとても嬉しいことだと思いますし……!」

「…………」

無言で私の話を聞いていた夜見社長が、ついには深く俯いてしまった。

すっと背筋が冷える。

────ああ、怒らせてしまったんだ。

けれど、どうしたらいいかわからない。
ただでさえ緊張でうまく言葉がまとまらないのに。

「や、やっぱり普通に不誠実ですよねこんな理由っ……、申し訳ございません……!」

もう熱はとっくに下がっているというのに、一週間前と同じように視界がぐるぐると回る。

完全に失言だった。
頭の中が「どうしよう」で埋め尽くされる。
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