仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
次に付き合ったのは、大学三年生のとき。
彼は自分の欲求に正直で、思ったことをはっきりと口にするタイプだった。
それに加えて、女性関係に少しだらしない面もあった。
彼は私が尋ねる前に、「ああしてほしい」「こうしてほしい」となんでもストレートに頼んできて。
変な言い方かもしれないけれど、私にとってありがたい、尽くしがいのある相手だった。
正直なところ、求められてそれに答えるという関係性のほうが楽だったのだ。
彼の要望を叶えるたび、「なんでもできる女だな」と褒められるのが純粋に嬉しかった。
これまで誰かの理想を演じるばかりだった私にとって、彼は私のポテンシャルの部分を評価してくれる初めての人だった。
薄っぺらい表面じゃなく、私自身の能力を見て好きだと言ってくれる。
そんな彼のことを私も好きだと思った。
今思えば、依存していただけのような気もするけれど。
ただ、そのせいで私たちは対等な恋人にはなれなかった。
言ってしまえば、主人と執事のような主従関係。
結局、私は彼にとって都合がいいだけの女で、代わりが見つかればあっけなく捨てられた。