仄暗いほど重たい愛 ~偽装妻ですが、冷血御曹司は手放す気がないようです~
「ご存知かとは思うのですが、夜見社長とはただ書類上の関係でしかないんです」
「ええ。きちんと伺ってますよ。もしかして、それが原因でずっと浮かない顔をされてたんですか?」
「……すごく、心苦しいんです。本当の意味での夫婦ではないのに、こんな家に住ませていただいたり、沖野さんにこうやってよくしていただいたりすることも」
「……。そんなの、成田さんが気にする必要は全くありません」
そんな言葉に顔をあげる。
さっきとは打って変わって、とても落ち着いた声だった。
「どんな理由であれ、成田さんはあの統悟社長に選ばれたんですよ? もっとこう、自慢してやるぞ、くらいのポジティブなスタンスでいていいんです」
「…………」
「それに、おふたりのご結婚ついては私も含めごく一部しか事情を知りません。外に漏れることはありませんし、社長もその点は徹底されています。どうぞ安心なさってください」
そう言って、沖野さんはにこっと私に笑いかけた。
励ますような優しい表情に思わず胸が熱くなる。