フィオナの運命
共に生きよう
「ルシアス様、そろそろ夕食のご用意ができましたが」

ユーリに声をかけられて、執務室のデスクに向かっていたルシアスは顔を上げる。

「もうそんな時間か」
「はい。長旅から戻られたばかりですし、お食事を終えられたら、今日はもうお休みくださいませ」
「俺は大丈夫だ。フィオナは? 今どうしている?」
「ローラが浴殿に案内したあと、少し客室で休んだようです。夕食の支度ができたので、今ローラが呼びに行きました」
「そうか」

ルシアスは、掛けてあったジャケットを着ると、ユーリと一緒にダイニングルームに向かう。

ユーリがノックして開いた扉から足を踏み入れたルシアスは、驚いて思わず目を見開いた。

黄金色の髪を編み込んで結い上げ、エメラルドグリーンのドレスに身を包んだフィオナが、はにかんだようにうつむき加減で立っている。

「……フィオナ?」

確かめるように呟くと、恥ずかしそうに頬を赤く染めたフィオナが、上目遣いにルシアスを見つめた。

「はい、ルシアス様」
「驚いた。一瞬誰だか分からなくて」
「ローラが仕立ててくれたのです。あの、こんなに素敵なドレスを貸していただくなんて、申し訳なくて……」
「そんなことはない。そなたによく似合っている」

するとフィオナは、ますます頬を赤らめて視線を落とした。

「さあ、どうぞお座りください」

ユーリがルシアスの椅子を引き、ローラがフィオナを反対側の席に促す。

向かい合って腰を下ろすと、正面から見つめてくるルシアスの視線に、フィオナは顔を上げられなくなった。
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