フィオナの運命
「フィオナ、ここへ」
「はい」
食事のあと自室に戻り、着替えてからルシアスの部屋に就寝の挨拶に行くと、ルシアスはフィオナをベッドの端に座らせた。
「フィオナ。明日から俺は少し王宮を留守にする」
「そうなのですか?」
「ああ。これまで戦をしていた諸外国と停戦し、協定を結ぶ為だ」
フィオナは驚いて目を見開いた。
「戦争が終わるのですか!?」
フィオナが生まれる前からずっと、国境付近では隣国との戦が絶えず、ここアレクシア王国はじわじわと領土を広げていた。
だがフィオナは、いくらこの国が強くても、戦争に対しては心が傷んでいた。
兵として駆り出され、負傷して田舎に戻って来た村人を、フィオナの父と母は己の寿命を縮めてまで救っていたから。
「ではもう、村人も戦地に赴かなくて良いのですね?」
「一刻も早くそうなるよう、諸外国の王と話をしてくる」
「はい! ありがとうございます、ルシアス様」
ルシアスは頬を緩めてフィオナを抱き寄せた。
「そんなに可愛らしい笑顔を見てしまうと、余計に離れ難くなるな」
「え?」
「そなたとしばらく会えなくなるのが辛い。だが俺は、そなたと出逢えたからこそ、戦争は断固辞めるべきだと気づいた。人間同士が命を削り合うなど、おろかでしかない。その命は神から与えられたもの。そして自分の命を輝かせることが、この世に生を受けた者の使命だ」
はい、とフィオナも静かに頷く。
「フィオナ、なるべく早くそなたのもとに帰って来る。信じて待っていてくれるか?」
「もちろんです、ルシアス様。いつもあなたのご無事をお祈りし、お帰りをずっと心待ちにしております」
「ありがとう、フィオナ。せめて今夜はそばにいてくれ」
そう言うとルシアスは、フィオナをそっとベッドに押し倒した。
「フィオナ……」
切なげに名を呼ばれ、真上から見つめられて、フィオナの頬は真っ赤に染まる。
身を引こうにも動けず、視線をそらそうにもそらせない。
ルシアスは左手でフィオナの右手を握り、右手でフィオナの前髪をサラリとよけた。
額にチュッと口づけると、フィオナの顔はますます赤くなり、瞳は涙で潤む。
「フィオナ……、愛している。そなたの温もりをこの腕に刻みつけたい」
「ルシアス様……」
小さく呟くフィオナに、ルシアスはクッとなにかを堪えるように表情を歪めてから、フィオナの頬にキスをした。
最初はかすめるようにそっと優しく、だが次第にルシアスの想いが溢れるように、口づけも熱を帯びていく。
何度も注がれるキスの雨は、耳元に、首筋に、鎖骨に、肩先にと、フィオナの身体にしびれるような恍惚とした幸せを広げた。
「ルシアス様……」
甘い声で名を呼ばれ、身体がカッと熱くなったルシアスは、気持ちをぶつけるようにフィオナの唇を奪う。
「……んっ」
こぼれる吐息は、フィオナをあどけない少女から妖艶な大人の女性へと変えていった。
「フィオナ……」
心の奥から燃えたぎるような熱い想いが込み上げ、ルシアスの胸を狂おしく焦がす。
それを逃がすように、ルシアスは何度もフィオナの名を吐息混じりにささやいた。
確かに今この腕の中にある温もり。
滑らかで真っ白な、フィオナの輝くような肌。
口づけるたびに、ピクンと身体を震わせて恥じらう愛おしさ。
肌を合わせるだけで込み上げる、胸いっぱいの幸福。
ルシアスは一晩中フィオナを腕に抱いて、喜びと幸せを自分の身体に刻みつけていた。
「はい」
食事のあと自室に戻り、着替えてからルシアスの部屋に就寝の挨拶に行くと、ルシアスはフィオナをベッドの端に座らせた。
「フィオナ。明日から俺は少し王宮を留守にする」
「そうなのですか?」
「ああ。これまで戦をしていた諸外国と停戦し、協定を結ぶ為だ」
フィオナは驚いて目を見開いた。
「戦争が終わるのですか!?」
フィオナが生まれる前からずっと、国境付近では隣国との戦が絶えず、ここアレクシア王国はじわじわと領土を広げていた。
だがフィオナは、いくらこの国が強くても、戦争に対しては心が傷んでいた。
兵として駆り出され、負傷して田舎に戻って来た村人を、フィオナの父と母は己の寿命を縮めてまで救っていたから。
「ではもう、村人も戦地に赴かなくて良いのですね?」
「一刻も早くそうなるよう、諸外国の王と話をしてくる」
「はい! ありがとうございます、ルシアス様」
ルシアスは頬を緩めてフィオナを抱き寄せた。
「そんなに可愛らしい笑顔を見てしまうと、余計に離れ難くなるな」
「え?」
「そなたとしばらく会えなくなるのが辛い。だが俺は、そなたと出逢えたからこそ、戦争は断固辞めるべきだと気づいた。人間同士が命を削り合うなど、おろかでしかない。その命は神から与えられたもの。そして自分の命を輝かせることが、この世に生を受けた者の使命だ」
はい、とフィオナも静かに頷く。
「フィオナ、なるべく早くそなたのもとに帰って来る。信じて待っていてくれるか?」
「もちろんです、ルシアス様。いつもあなたのご無事をお祈りし、お帰りをずっと心待ちにしております」
「ありがとう、フィオナ。せめて今夜はそばにいてくれ」
そう言うとルシアスは、フィオナをそっとベッドに押し倒した。
「フィオナ……」
切なげに名を呼ばれ、真上から見つめられて、フィオナの頬は真っ赤に染まる。
身を引こうにも動けず、視線をそらそうにもそらせない。
ルシアスは左手でフィオナの右手を握り、右手でフィオナの前髪をサラリとよけた。
額にチュッと口づけると、フィオナの顔はますます赤くなり、瞳は涙で潤む。
「フィオナ……、愛している。そなたの温もりをこの腕に刻みつけたい」
「ルシアス様……」
小さく呟くフィオナに、ルシアスはクッとなにかを堪えるように表情を歪めてから、フィオナの頬にキスをした。
最初はかすめるようにそっと優しく、だが次第にルシアスの想いが溢れるように、口づけも熱を帯びていく。
何度も注がれるキスの雨は、耳元に、首筋に、鎖骨に、肩先にと、フィオナの身体にしびれるような恍惚とした幸せを広げた。
「ルシアス様……」
甘い声で名を呼ばれ、身体がカッと熱くなったルシアスは、気持ちをぶつけるようにフィオナの唇を奪う。
「……んっ」
こぼれる吐息は、フィオナをあどけない少女から妖艶な大人の女性へと変えていった。
「フィオナ……」
心の奥から燃えたぎるような熱い想いが込み上げ、ルシアスの胸を狂おしく焦がす。
それを逃がすように、ルシアスは何度もフィオナの名を吐息混じりにささやいた。
確かに今この腕の中にある温もり。
滑らかで真っ白な、フィオナの輝くような肌。
口づけるたびに、ピクンと身体を震わせて恥じらう愛おしさ。
肌を合わせるだけで込み上げる、胸いっぱいの幸福。
ルシアスは一晩中フィオナを腕に抱いて、喜びと幸せを自分の身体に刻みつけていた。