フィオナの運命
「ああ、どんなにこの日を夢見たことか」
「本当に。今日は朝からソワソワしちゃって、もう既に胸がいっぱいよ」

開放された王宮の広場に詰めかけた国民は、国旗を手にワクワクしながら声をかけ合う。

「これからの王家の繁栄が楽しみですな」
「そうですとも。呪いが解けた今、この先には希望の光が輝いていますよ」

誰もが笑顔を浮かべ、祝福の気持ちで溢れていた。

晴れ渡った青空の下、今か今かとバルコニーを見上げる。

「あ! 扉が開いたわよ」

ローラとユーリが内側から扉を大きく開き、笑顔で後ろを振り返る。

そして……

「きゃー!! いらっしゃったわ」
「ルシアス国王陛下! フィオナ王妃陛下!」

格式高い軍服姿のルシアスが、優しくフィオナをエスコートしてバルコニーに姿を現した。

「なんて素敵なの。フィオナ様、とってもお美しいわ」
「ルシアス様の眼差し、フィオナ様への愛が溢れているわね」

純白のウェディングドレスに身を包んだ、輝くような美しさのフィオナを、ルシアスが微笑んで見つめる。

フィオナもそっと視線を上げると、ルシアスににっこりと笑いかけた。

「なんだかこちらまで胸がキュンってするわね」
「本当にお似合いだわ」
「お二人のベビーも待ち遠しいわね」

興奮気味に話しながら歓声を上げる人々に、ルシアスとフィオナは笑顔で手を振る。

「なんと神々しい。歴史に残る日ですな」
「ええ、長生きして良かった」

年配の男性は感慨深く目に涙を浮かべ、若い女の子達は憧れの眼差しでうっとりと二人を見上げた。

一人一人と視線を合わせるように、フィオナは笑顔で皆に手を振る。

するとふいに、ルシアスがフィオナの耳元でなにかささやいた。

フィオナは恥ずかしそうに頬を赤らめ、上目遣いにルシアスを見上げる。

そんな二人の様子に、またもや人々が胸をキュンとさせた時……

ルシアスがフィオナの肩を抱き寄せ、優しくその唇に口づけた。

人々の歓声は最高潮に達する。

降り注ぐ陽の光が、フィオナのティアラを照らしてキラリと輝き、まるで神からの祝福のように二人を彩った。

なんと美しく幸せな瞬間なのだろう。

誰もが言葉を忘れて二人に見とれた。

この王と王妃のもとでなら、この国の平和は守られている。
この二人が、国民を幸せで包み込んでくれる。

我々も未来に夢を描こう。
この二人のような、幸せな未来を。

明るい人々の祝福の声を受けながら、ルシアスとフィオナは見つめ合って微笑む。

幸せと愛に満ちた二人に、歓喜の声はいつまでも響き渡っていた。

(完)
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