雨の日が苦手だった、私たちは
高瀬が『入念に準備をして、相手の心をしっかり掴むタイプ』だとすれば、若井は『人懐っこさで許されてしまうタイプ』といったところだろうか。
「はは、若井くん〜しっかり頼むよ〜? あ、朝比奈さんが手綱を握ってくれてるから、大丈夫ですかね」
「いえ、とんでもないです。誠に申し訳ございません」
「社長! 次はこのようなミスはしないよう気をつけます! 申し訳ございません」
先方に提出する書類の一部に、誤りがあることを発見してしまった。
萌衣が先に気づいたため、先方から厳しく注意されることはなかったけれど……。
(私がちゃんとチェックしていれば……いや、若井くんはぎりぎりに資料を修正してたから、もっと前倒しでチェックしなきゃいけなかった)
どうすれば未然に防げたのか、頭の中で一人反省会をする。
高瀬と商談に行った時は、こんな場面は一度も無かった。それは高瀬が完璧だったからだ。
(高瀬さんは、事前チェックのフローを作ってた。私、なんで今回はできなかったんだろう……。高瀬さんはミスを責めるんじゃなくて、起きないように仕組みを作ってたんだ……)
商談先の会社を出て、小さく息を吐き出す。
空を見上げると、曇り空が広がっていた。
ため息をついている所を見せたからか、若井は萌衣に頭を下げた。
「朝比奈さん、本当にすみません! 俺の確認不足で、ご迷惑をおかけしました」
「ううん、若井くんはちゃんとやってくれてたよ。私がもっと早めに、資料を確認すれば良かった。あ、雨の予報だし、急いで帰ろうか」
「……はい、急ぎましょう!」
二人並んで、早歩きで駅方面に向かう。
途中、若井のスマホに着信があり、一度立ち止まった。雨はどんどん強くなり、二人は近くの軒下に移動した。
(……最近、本当に雨が多いなぁ)
若井が通話している間、萌衣は降り注ぐ雨をぼうっと見ていた。
「はは、若井くん〜しっかり頼むよ〜? あ、朝比奈さんが手綱を握ってくれてるから、大丈夫ですかね」
「いえ、とんでもないです。誠に申し訳ございません」
「社長! 次はこのようなミスはしないよう気をつけます! 申し訳ございません」
先方に提出する書類の一部に、誤りがあることを発見してしまった。
萌衣が先に気づいたため、先方から厳しく注意されることはなかったけれど……。
(私がちゃんとチェックしていれば……いや、若井くんはぎりぎりに資料を修正してたから、もっと前倒しでチェックしなきゃいけなかった)
どうすれば未然に防げたのか、頭の中で一人反省会をする。
高瀬と商談に行った時は、こんな場面は一度も無かった。それは高瀬が完璧だったからだ。
(高瀬さんは、事前チェックのフローを作ってた。私、なんで今回はできなかったんだろう……。高瀬さんはミスを責めるんじゃなくて、起きないように仕組みを作ってたんだ……)
商談先の会社を出て、小さく息を吐き出す。
空を見上げると、曇り空が広がっていた。
ため息をついている所を見せたからか、若井は萌衣に頭を下げた。
「朝比奈さん、本当にすみません! 俺の確認不足で、ご迷惑をおかけしました」
「ううん、若井くんはちゃんとやってくれてたよ。私がもっと早めに、資料を確認すれば良かった。あ、雨の予報だし、急いで帰ろうか」
「……はい、急ぎましょう!」
二人並んで、早歩きで駅方面に向かう。
途中、若井のスマホに着信があり、一度立ち止まった。雨はどんどん強くなり、二人は近くの軒下に移動した。
(……最近、本当に雨が多いなぁ)
若井が通話している間、萌衣は降り注ぐ雨をぼうっと見ていた。