雨の日が苦手だった、私たちは
晴れの日
高瀬のお弁当箱を買った後、萌衣は早速それを受け取り、お弁当を作るようになった。と言っても、高瀬は外回りも多く、毎日必ず作るわけではなかった。
ある日、高瀬が終日社内にいる時のことだ。
「高瀬さん、お昼行けそうですか?」
「あぁ、もうこれも終わる。朝比奈は?」
「私もちょうどきりが良いので。じゃあ、私は先に行ってますね」
「了解、すぐ追いかける」
そう言って、萌衣は立ち上がる。
ランチバッグを持ち、先に執務室を出た。向かうのは、ビルの屋上だ。
お昼時はほとんどの社員がカフェテリアに向かうため、わざわざ屋上まで来る人は少ない。
意外にも穴場なのだ。
屋上に着いた萌衣は、ちょうど良さそうな場所を陣取り、空を見上げて「んー」と腕を伸ばした。
「今日は晴れだ〜。気持ちいいー」
梅雨に入り、雨の日が増えてきた今日この頃。
久しぶりの晴れ間に、萌衣の心は軽やかに弾んでいた。
体いっぱいに太陽の温かさを受けて、まるで光合成をする草木にでもなったようだ。
あまりの心地良さに、このまま眠ってしまいたくなる。
そんなことを考えていると、ふいに後ろから声をかけられた。
「おーなんか、気持ちよさそうにしてるな」
「……高瀬さん!」
完全に気を抜いていた。
なんだか恥ずかしい……。
その気持ちを知ってか、高瀬はくすくす笑いながら近付いてきた。
「ご飯、食べるか?」
「はいっ、食べましょう!」
二人並んで座り、萌衣は高瀬にお弁当を差し出す。
高瀬が買ったお弁当箱とは別に、もう一つ、別の容器を出した。高瀬はなんだろうと、首を傾げている。
「これは?」
「スープジャーです。せっかくなので、たまごスープも作ってきました」
「スープまで用意してくれたのか? なんか悪いな、やっぱりお弁当代も……」
「良いんです! これは私が勝手に作ってきただけなので。それに、高瀬さんに昨日もお茶をご馳走してもらいましたし、おあいこですよ?」
「お茶って言っても、自販機のだし……」
「それでも、おあいこです」
ある日、高瀬が終日社内にいる時のことだ。
「高瀬さん、お昼行けそうですか?」
「あぁ、もうこれも終わる。朝比奈は?」
「私もちょうどきりが良いので。じゃあ、私は先に行ってますね」
「了解、すぐ追いかける」
そう言って、萌衣は立ち上がる。
ランチバッグを持ち、先に執務室を出た。向かうのは、ビルの屋上だ。
お昼時はほとんどの社員がカフェテリアに向かうため、わざわざ屋上まで来る人は少ない。
意外にも穴場なのだ。
屋上に着いた萌衣は、ちょうど良さそうな場所を陣取り、空を見上げて「んー」と腕を伸ばした。
「今日は晴れだ〜。気持ちいいー」
梅雨に入り、雨の日が増えてきた今日この頃。
久しぶりの晴れ間に、萌衣の心は軽やかに弾んでいた。
体いっぱいに太陽の温かさを受けて、まるで光合成をする草木にでもなったようだ。
あまりの心地良さに、このまま眠ってしまいたくなる。
そんなことを考えていると、ふいに後ろから声をかけられた。
「おーなんか、気持ちよさそうにしてるな」
「……高瀬さん!」
完全に気を抜いていた。
なんだか恥ずかしい……。
その気持ちを知ってか、高瀬はくすくす笑いながら近付いてきた。
「ご飯、食べるか?」
「はいっ、食べましょう!」
二人並んで座り、萌衣は高瀬にお弁当を差し出す。
高瀬が買ったお弁当箱とは別に、もう一つ、別の容器を出した。高瀬はなんだろうと、首を傾げている。
「これは?」
「スープジャーです。せっかくなので、たまごスープも作ってきました」
「スープまで用意してくれたのか? なんか悪いな、やっぱりお弁当代も……」
「良いんです! これは私が勝手に作ってきただけなので。それに、高瀬さんに昨日もお茶をご馳走してもらいましたし、おあいこですよ?」
「お茶って言っても、自販機のだし……」
「それでも、おあいこです」