雨の日が苦手だった、私たちは

「私は大きなパフェを食べたんですけど、朝比奈はクラシックプリンを食べていて。パフェの方は季節の果物を使っていて、本当に芸術品かと思うくらい写真映えするものでした」


 そう言って、高瀬は自身のスマホを取り出し、一緒にブックカフェに行った時の写真を石倉に見せた。
 萌衣はというと(高瀬さん、いつの間に写真を……!)と思わずにはいられなかった。

 萌衣だって、プリンの写真は撮った。でも、撮ったのなんてせいぜい一、二枚だ。
 高瀬はいつの間にか、何枚も撮っていたらしい。


「このパフェ、すごくないですか? ここのブックカフェは本当におすすめです」
「へぇ……本当に芸術的で、食べるのがもったいないですね」
「……高瀬さん、いつの間にそんなに撮ってたんですか?」
「好きなものは記録しておきたい派なので」


 そう言って、高瀬は自身のスマホを内ポケットにしまう。
 そして、パフェの美味しさについて熱く語り始めた。好きなことになると、いつも以上に饒舌になってしまうのかもしれない。

 それを聞いていた石倉も、どうやらブックカフェに行きたくなったらしい。早速、その場で店舗のSNSをフォローしていた。
 ビールを飲む山見が、にやりと笑いながら高瀬に言った。


「高瀬くん、今の牽制?」
「え、何のことですか?」
「……なるほど、本人は全く自覚がないタイプか。これはこれは……時間がかかりそうだなぁ……」
「はい?」
「いや〜何でもないよ。ほら、石倉くんもちゃんとご飯食べられてる? 今日の高瀬くんは珍しく熱く語ってるけど、気にしないでどんどん食べるんだぞ?」
「はいっ! 美味しくいただいてます!!」


 威勢よく答えた石倉は、ビールをぐいっと飲んでから、再び目の前のご飯を食べ始めた。
 その食べっぷりは、若さゆえか。
 とにかく、見ていて気持ち良いほどの食べっぷりだった。

 YAMAMIの若手社員との飲み会は、和気あいあいとした雰囲気のままあっという間にお開きとなった。


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