喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
買収?
次の日の夕方、閉店間際に立木さんはやってきた。
テーブル席ではなく、カウンターに座り食事ではなくコーヒーを注文したのだ。
「どうぞ」と悠乃がコーヒーを出すと
「マスターはいますか?」と悠乃に尋ねた。
悠乃は奥にいた伯父さんを呼んでくると立木さんは話し始めた。
「去年の名義変更のお話を聞いてからうちの顧問弁護士に色々相談をしまして、不動産部門の人間にも調べてもらいました」
「不動産部門?」
「はい、うちは色々な建物を取り扱いますし、土地の売買の交渉など専門の部門がありまして…」
「凄いな」
悠乃はうんうんと頷くのみだった。
「どうやらあの息子さんはこの家は財産分与で手に入れたものの税金もかかるので売却をしたいようなのです」
「たしかにそんな事は言ってたな…」
「物件には固定資産税がかかります」
「そうだな」
「それに名義変更をすると自分の物になって喜ぶ所でしょうが贈与税がかかるんですね、この土地単価と広さならかなりの金額だと思います」
「そうか」
「多分それを知って売却する気で見に来たのだと思います、正直このまま賃貸で貸して税金を払うのがいいか、売却した方がいいか…」
「あれから何も連絡はないし、どうしたもんかと思っていたんだよ」
「でももし貸してくれても賃貸料は上がると思います」
「うーん」
「そこで私は立木グループでこの土地を買いたいと家族に話しました、本当は個人で買い取りたかったんですがまだ若輩者で審査が通らないだろうと…」