喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
「悠乃さん…素敵な考えですね」
「とりあえずモーニングの時間だけ今日は開けようと思います、それなら悠乃も作れるので、煮込む料理は前日から作らないと『夢乃』の味にならないので(笑)」
「モーニングは食べに来ますが、モーニングの終わった時間に迎えに来てもいいですか?」
「はい?」
「あっ、伯父さんの病院に行くのですかね」
「病院は伯母が仕事を休んでついていく予定ですけど…夕方には多分伯父が明日の仕込みをする予定なので一緒にいようかなとは思ってます」
「あの…浅草に行きませんか?」
「浅草?」
「お祓いといいますか、手術祈願といいますか…浅草寺は神仏のデパートと言われているくらい色んなお願い事ができますからね」
「いいですね(笑)」
「では忙しい所お邪魔しました、失礼します」
今日立木さんはおやすみなのかな?
はっ、支度、支度
悠乃は一人でモーニングの準備をしたのだった。
外には
『本日はモーニングのみの営業となります』
と紙を入り口に貼り、𝙊𝙋𝙀𝙉の札をかけた。
いつもの常連客様達が店に入ってくる。
「いらっしゃいませ〜、おはようございます!」
元気な悠乃の声が店に響いた。
もちろん聞かれるのは「あれ?マスターは?」の言葉。
「すみません、今日はお休みなんですよ〜」
「悠乃ちゃん一人で大丈夫なのかい?」
「だからモーニングだけにしました、えへへっ」
「悠乃ちゃん、食器は僕たちで下げるよ」
「あー、ありがとうございます」
モーニングのお客さんの卵焼きを焼いている時に声をかけてくれる。
カウンター内に台拭きもあるのをわかっていて自ら台も拭いてくれるのだ。
「お勘定、ここに置いとくよ〜」
「はーい、ありがとうございましたー」
パンを焼き終え、別のお客さんに洋食セットを出す。
「お待たせ致しました」
朝はやっぱり忙しい…
でも改めて常連さん達の優しさが心に染みた。