喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
克くんから連絡をくれて22日の夜に克くんの家に行くことになった。
その前日の事だった。
夕方人も空いて来た頃に男女二人が店に入って来たのだ。
女性はきょろきょろしながら初めてみる『夢乃』の店内を見回し、後ろから気まずそうに入って来た男性はあの大野さんだった。
「いらっしゃいませ」
2人をテーブル席に案内した。
「オムライスセットと、貴方は?」
「カツカレーで」
「お待ちください」
悠乃は奥に行き、伯父さんに大野さんが来たのと小声で話した。
「何だって?」
「奥さんらしき人と来て普通に注文を受けただけ」
「まあ、土地の問題はもう関係ないんだろ?」
「うん、今は立木グループの物件のはずだよ」
出来上がった料理を運ぶと美味しそうに食べてくれた。
レジ前に来ると大野さんは
「すみませんでした」と頭を下げた。
「威圧的な態度で申し訳なかった」
「あっ、いえ」
「この人がやった事、私は何も知らなくて…ちゃんと色々調べてからにすれば良かったのに、さっさと名義変更して税金がかかる事を知ったら売りに出すとか…親が残してくれたものを勝手に…本当に申し訳ありませんでした」
「いえ、頭を上げてください」
「喫茶店だったと言うから1度食べに行きましょうと言うことでやって来ました、とても美味しかった、こんな素敵な場所を無くそうとしてたなんて夫ながら腹が立ちます!」
大野さんは奥さんには頭が上がらないようだ。
「不動産にまかしていたらいつの間にか買い手がついたと聞いて、どうなったんだろうと様子を見に来たんだ」
「知り合いが買い取ってくれて…すぐには何もならないようです、安心してください(笑)」
悠乃は言った。
また東京に来たら食べに来ますと奥さんは言ってくれて、2人は帰っていった。