喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
「お待たせ〜」
「シャンパンついでもいい?」
「いいよー」
「ん?悠乃さん?」
「なあに?」
「シャンパン間違えて買った?これノンアルコールのシャンパンみたいだけど」
「ううん、間違ってないよ」
「そっか、まあとりあえず乾杯するか」
『かんぱーい』
克哉はシャンパンのラベルを見ていた。
高級シャンパンのノンアルコールなんてあるんだな、初めて見た。
成分表まで隅々と…
「あのね、克くん」
「うん」
「プレゼントがあります」
「本当に?」
「これです」
悠乃は紙袋を克哉に渡した。
紙袋を開けるとスティックが入っていて取り出すと妊娠検査薬だったのだ。
「えっ、これって陽性?」
「うん、線が2本くっきりでてるでしょ?」
「…うん」
「この前は夜のお誘い断ってごめんね、実は先週検査してみて少し線が薄かったのね、だからもう少し日数経ってからと思ってさっきトイレに行ってきました」
「悠乃さん…」
「今日はバッチリはっきり2本線が確認できました!」
「嬉しいよ…悠乃さんと付き合って1周年記念にこんな嬉しい報告が聞けるなんて…」
克哉は手で瞼を押さえた。
「これからは克くんと記念日を大切に過ごしていきたいなって思います!」
「ありがとう、また家族が増えるね」
「うん!」
2年後…3月22日正午
喫茶店『夢乃』のドアには𝐂𝐋𝐎𝐒𝐄の札がかかっていた。
「よいしょ」
悠乃は張り紙を貼った。
『本日午後から貸し切りの為休業します』
「ふぅ…」
外に出してある看板を中に入れようと持つとヒョイと持ち上げてくれる人がいた。
「あっ、優也さん、ありがとうございます」
「無理しなくていいよ、身重なんだから」