魔法学校☆アルミラージ
             
            …「何しても上手くいかないんだ。むしろどんどん悪くなってきてる気がする…」

「リュカ」

アシェルはリュカの前に座るとリュカの頭を小さな手でポンポンと撫でた。

「どんなに頑張ったって俺のパフォーマンスは見てて疲れるって、面白くないんだって…真面目過ぎるって、歌やダンスに愛さえ感じないって…どうしたら良いか分からないんだ…。…俺は……俺はただ歌やダンスが好きなだけなのに…最近じゃあんなに好きだった歌やダンスが嫌になってきたんだ。重たい錆びついた鉛みたいに見えてくるんだよ…それも嫌で……」

「リュカの歌もダンスも僕は大好きだよ?レイやリュカや皆と一緒に歌って踊ると心がいつもぽかぽかになる。とっても心地が良いんだよ」

「……嘘言うな。俺は誰も喜ばせるパフォーマンスが出来ない駄目な奴なんだから…」

「ううん、そんな事ない、絶対ない。少なくとも僕は本当にリュカと会えて良かったって思ってる。レイやリュカに出会ったから今僕は諦めかけてた歌やダンスをもう一回始める事が出来たんだもん。落ちこぼれだって言われて虐められてた僕に2人が歌やダンスを教えてくれたから、だから僕は希望を信じる事が出来て今皆と一緒に踊れてるんだ、パライバトルを目指せてるんだ、曲だって…曲だって作れてるんだよ?…ねぇリュカ、僕に光りをくれたキミが自分自身を駄目なやつなんて言わないであげて?」

アシェルは立ち上がると俯いているリュカを正面からぎゅうっと抱きしめた。

「大丈夫だよ。リュカの歌やダンスはいっつもあったかいもん。クールでちょっとだけスパイシーだから子供の僕にはちょっと辛くて舌がヒリヒリしちゃう時があるけどね」

へへっ とアシェルは柔らかく微笑んだ。それを見たリュカは心の中に今まで無かった何か ぽっ と 小さくて暖かな花が咲いたような気がした。その花は今までずっとぽっかり空いたままで何をしてもどうしても塞がらなかった場所に咲いたのだ。リュカは何かはっとさせられたように大きく目を開いた。

あたたかい気持ち、ジェイデンや元の世界でいつも歌やダンスを教えてくれていたエマやフィリップが言っていた 愛 と言うものがこういうあたたかさと言うものなのだとようやく気付いたのだ。もちろん恋愛的な意味ではなく 自分はずっと1人ではなかったと言う事を今知ったのだ。幼なじみのレイだって自分を嫌がらずずっと側に居てくれたのにどうして自分は1人だと思い込んで強がっていたのだろうか? リュカは自分を可笑しく思って あははっ と笑った。
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