祝福のあとで
直は、
あきの言葉を遮らずに聞いてから、
一歩も引かずに言った。
「今は」
短く、間を置いて。
「俺が、隣にいます」
声は低く、淡々としていた。
主張でも、威嚇でもない。
ただ、事実を置いただけ。
あきは、
その言葉を聞いて、少しだけ目を細める。
「……そっか」
グラスに口をつけて、
一息で飲み干す。
「まあ、そうだよな」
肩をすくめて、
もう一度だけ直を見る。
去り際、
思い出したみたいに、軽い調子で言った。
「あ、そういえば」
直が視線を向ける。
「ひかりって」
一瞬、言葉を選ぶ間。
「イクときに、
ちょっと顔を逸らす癖」
くすっと笑う。
「……まだ残ってます?」
悪意よりも、
未練の残り香みたいな声音。
「あれ、俺は結構好きだったんだよな」
それだけ言って、
あきは片手を軽く上げて背を向け、
友人たちの輪は戻っていった。
音楽と笑い声がで
すぐにその隙間が埋まる。
直は、
何も言わずに一度だけ目を伏せてから、
グラスを取り上げる。
——過去だ。
もう、
触れられる場所じゃない。
今、隣にいるのは、
ちゃんと選び合った相手だけ。
直は、
視線を店内に戻した。
その先に、
ひかりがいることを、
知っていたから。
あきの言葉を遮らずに聞いてから、
一歩も引かずに言った。
「今は」
短く、間を置いて。
「俺が、隣にいます」
声は低く、淡々としていた。
主張でも、威嚇でもない。
ただ、事実を置いただけ。
あきは、
その言葉を聞いて、少しだけ目を細める。
「……そっか」
グラスに口をつけて、
一息で飲み干す。
「まあ、そうだよな」
肩をすくめて、
もう一度だけ直を見る。
去り際、
思い出したみたいに、軽い調子で言った。
「あ、そういえば」
直が視線を向ける。
「ひかりって」
一瞬、言葉を選ぶ間。
「イクときに、
ちょっと顔を逸らす癖」
くすっと笑う。
「……まだ残ってます?」
悪意よりも、
未練の残り香みたいな声音。
「あれ、俺は結構好きだったんだよな」
それだけ言って、
あきは片手を軽く上げて背を向け、
友人たちの輪は戻っていった。
音楽と笑い声がで
すぐにその隙間が埋まる。
直は、
何も言わずに一度だけ目を伏せてから、
グラスを取り上げる。
——過去だ。
もう、
触れられる場所じゃない。
今、隣にいるのは、
ちゃんと選び合った相手だけ。
直は、
視線を店内に戻した。
その先に、
ひかりがいることを、
知っていたから。