レオン


レオン、レオン。


世那がそう俺の名前を呼ぶ度に、俺は本当はレオンだったんじゃないかってアホみたいな思考回路をしてしまう。



「じっとしてろよ、レオン」



だから、玲央だっつってんのに。

目を瞑りながら大人しくその衝撃を待っていると、プツリ、と鋭い針が皮膚を貫通するのが分かった。


「痛い?」


耳元で囁かれる世那の声に「別に」と返すと、どうでも良さそうに世那は「ふぅん」と一言呟いた。


「ほら、ファーストピアス。良かったな、チェリーボーイ」


「チェリーボーイは今関係ねーだろ」


「うーん、でもやっぱ一回じゃまだ慣れねーよなぁ……練習でもう一個開けさせろよ」


「人の身体をなんだと思ってんだ……」



俺の言葉に世那は誤魔化すようにへらへらと緩く笑った。


「ピアス開けるのに慣れたら俺も開けよっかなーって思ってんだよね。ちょっとやりたいことがあるから」


「へー。なんなら俺が開けてやろうか?」


「いや、良いわ。なんかきめぇし」



思わずぶっ飛ばしそうになる手を必死に抑える。

人にやっておきながら自分がやられるのは嫌ってとんでもない野郎だ。
しかもキモいってなんだよ。


「あー……ピアス開けるのハマりそう〜」


愉しそうに、そしてどこか恍惚な笑みを浮かべる世那に、「お前のがよっぽどきめぇよ」と言い返した。


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