先輩、好きです。
*
練習が終わり、部員たちは疲れた様子で水分を摂りながらも、どこか充実感に満ちているように見えた。
「私、準備室に片付けに行くから、ビブス回収して洗濯お願い」
後輩マネージャーに指示を出し、備品をカートに乗せる。
カラカラとタイヤを鳴らしながら、私は準備室へと向かった。
少し埃っぽい準備室の中はどこか静かで、体育館のざわめきが遠くに感じられた。
テーピングやタイマーを棚に戻しながらも、頭の中はまだ整理がつかないまま。
――――ほんっと、かわいくない。
ふと、さっきの言葉がまた繰り返された。
矢吹の無表情。
そっけない反応。
私の誉め言葉なんて、空気みたいな扱いだったくせに、入出とはふつうに会話するようになっていた。