先輩、好きです。



何かの冗談?


でも、矢吹がそんな冗談を言うようなタイプには見えない。

むしろ、あんなに無駄な言葉を省くやつが、冗談でこんなこと言うとは思えない。



ああ、どうしよう。


今のこの瞬間を、どう受け止めればいいのか――――



私の頭の中は、答えを探して必死にぐるぐると回り続けていた。




ーーーーけれど




「…そういうことなので。それじゃあ、お先に失礼します」




そう言って、矢吹は何事もなかったかのように私の横を通り過ぎて準備室を出て行った。
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