先輩、好きです。
『先輩、好きです』
好き?私を?
――――――なんで?
どんな感情よりも真っ先に浮かんだのは、疑問。
だって、私だけ特別扱いされたことなんて一度もない。
むしろ、他の部員たちと同じように淡々と、必要最低限のやりとりしかしない。
矢吹勝利はそういうやつだった。
それに私は三年生で、こいつは一年生。
立場も、年齢も、経験もまるで違う。
しかも、出会ってまだほんの数日。
それで好き?
そんなはずがない。
ありえない。
何かの冗談?
でも、矢吹がそんな冗談を言うタイプには見えない。
むしろ、あんなに無駄な言葉を省くやつが、冗談でこんなこと言うとは思えない。