先輩、好きです。
「じゃあ、お先に失礼します」
そう言って、矢吹はまたいつもの無表情に戻って、何事もなかったかのように準備室を出ていった。
――――――は?
勝手に告白して、私の反応を見て満足して、そして…帰った?
ちょっと待って。
こっちはまだ、言葉の意味を処理しきれてすらいないんですけど。
もしかして、からかわれた?
あの矢吹に?
そう思うと、内側からぐちゃぐちゃになった感情が湧き出てきて、拳に力が入る。
「…や、やっぱりかわいくないっ!!」
私の心からの叫びは、準備室の静けさのなかに溶けて消えた。