先輩、好きです。
なんて、そんなこと口が裂けても言えない。
相手はあの無愛想でかわいげの欠片もない矢吹。
そんなやつに告白されたなんて、どう説明しても信じてもらえる気がしない。
それくらい、ありえないことなんだから。
「な、なんでもない…」
「ほんとかあ?」
ずいっと顔を近づけて私の目を覗き込む。
山岸の目が、すべてを見透かしてくるような気がして、私はとっさに近づいてくる山岸の顔を手で押し返した。
「近い!なんでもないって言ってんじゃん!」
「痛っ…!わ、悪かったって…」
ようやく山岸が目をそらしてくれて、内心ほっとする。
私自身、まだ混乱しているというのを差し引いても、このことはなるべく知られない方がいい。