先輩、好きです。
部内恋愛は、他の人にも少なからず影響が出てしまう。
変に気を遣わせたくないし、それでチームの足を引っ張りたくない。
それに私が余計なことを言えば、自然と矢吹にも注目が集まる。
矢吹は気にしないかもしれないけど、万が一にもそれであいつのプレーが乱れるなんてことがあったら、私が許せない。
他の女子たちに「え、あんなのが好きなの?」って目で刺されたくもないし。
だからこれは、私が自分でなんとかしないと。
「なに、まだ勝利のこと根に持ってんの?」
「…は!?」
山岸の口から矢吹の名前が出た瞬間、反射的に声が裏返った。
山岸が言っているのは、多分あの無愛想な態度に私が苛立っていた件のこと。
それもそうだけど、今の問題はそこじゃない。
あいつは、勝手に告白して、私を振り回して説明もなしに帰った。
考えれば考えるほど、矢吹勝利という人間が分からなくなる。