先輩、好きです。
「………あいつのこと、よく分かんない」
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で、ぼそっと呟いた。
別に聞かれなくたっていい。
ただ、この整理しきれない気持ちを、ほんの少しだけ誰かに預けたかっただけ。
「ははっ、この部であいつのこと分かるやつなんていねーよ。お前、そんなことで悩んでたの?真面目かよ」
その言葉に、胸の奥の重たいものがすっと軽くなるのを感じた。
矢吹勝利は分からない。
本当に、どうしようもなく分からない。
でも――――それでも、私は今日もあいつのプレーから目を離せずにいる。
それが一番、厄介だった。