先輩、好きです。







体育館のざわめきは扉越しに遠く聞こえるだけで、準備室はいつも少しだけ静かだ。



洗ったボトルを棚に並べて、その隣に空になったウォータージャグを置く。

ボールかごを棚の横に寄せた瞬間、ふと昨日の光景が頭をよぎった。



ちょうど、ここだった。



矢吹が立っていたのも、このかごの横。



思い出しただけで顔が熱くなる。

息を整えようとしても、心臓の音が早すぎて追いつかない。



練習中は、山岸のジャージのおかげで気にしなくてすんだのに。



この場所では、山岸のジャージになんの意味もない。




――――どうしよう……。
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