先輩、好きです。
心臓の音がうるさい。
手は小刻みに震え、呼吸はどんどん浅くなっていく。
「…ど、どうしたの」
なるべく平静を装ったつもりの声は、想像以上に震えていた。
意味もなくジャージの裾を軽く引っ張ったり、高い位置で一つにまとめた髪の毛先を指で撫でて、緊張を和らげようとする。
だけどそんなことをしても、心臓の音は大きく増すばかりだ。
じっと私を見つめる矢吹の目が、妙にまっすぐで落ち着かない。
思わず逃げるように目をそらした。
これから、昨日の返事を求められるのかもしれない。
でも私はまだ、どんな言葉を返せばいいのか分からない。
分からないから、怖いーーーー。