先輩、好きです。
「昨日の、返事いらないです」
その声が、準備室の空気を切り裂いた。
ただ淡々と、いつも通りの声で言われたそれが、妙に重かった。
「気にしなくていいです」
そう言って矢吹は少しだけ視線をそらしたまま、続ける。
「俺が勝手に言っただけなんで」
その言い方がひどく丁寧で、ひどく一方的だった。
胸の奥が、きゅっと縮む。
そんな言葉をかけて欲しかったわけじゃない。
でも、じゃあなんて言葉をかけて欲しかったのかは、分からない。
どう受け止めればいいのかも、分からない。