先輩、好きです。




「まあ……そう言われるのも分かるかも」




多分、山岸は何も考えていないと思うけど。



そんなことを考えながらボトルの水気を切っていると、それまで楽しそうに話していた理沙ちゃんが「あ」と短く声をもらした。


つられるように視線を向ける。




そのとき、持っていたボトルを握る手に思わず力が入った。




見慣れた練習着。

練習終わりなのに乱れた様子のない髪は、夕日を受けて淡く色づいて見える。



その姿を認識した瞬間、心臓が大きく跳ねた。




────矢吹……!?




ついさっきまで普通に話していたはずなのに、矢吹を視界に捉えただけで鼓動が胸の内側をしつこく叩き始める。



まただ。

この目に見られると、心臓が途端に危険信号を鳴らし出す。



こんなこと、昨日まではなかった。




「……すみません。ボトル、まだありました」




そう言って差し出されたボトルに視線を移す。
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