先輩、好きです。
「昨日の、気にしないでください」
ーーーー何かが、そっと崩れた気がした。
突き放されたわけじゃないのに、言葉が妙に冷たく響いた。
「じゃあ、お先に失礼します」
矢吹はそれだけ言って、準備室を出て行った。
足音はすぐに遠ざかって、再び準備室に静けさが戻る。
告白は、確かにあった。
でも返事は求められていない。
それどころか、矢吹本人がすべてをなかったことにしようとしている。
ーーーーどうして、私だけが置いて行かれたみたいな気分になるんだろう。
「……なんなの、ほんと」
返事のない静けさだけが、余計に腹立たしかった。