先輩、好きです。
後ろから声をかけられて振り返ると、同じ三年の山岸がボトル片手に近づいてきた。
「勝利は入部した時からあんな感じだ」
「…まさか、ここまで無愛想だとは思ってなかった」
入出だったら、少し褒めただけで散歩に行く犬みたいに喜ぶのに。
その後は分かりやすく調子に乗って、他の部員からうざがられるのに。
それくらい分かりやすければ、かわいげもあるのに。
「まあ落ち着けって…ああしてると、なんか猫みたいで意外とかわいく見えてこないか?」
山岸はニヤリと笑って、そう言った。
「猫かあ……」
山岸の言葉に、ふとおばあちゃん家の飼い猫のミケを思い出した。
気まぐれでツンツンしてて、抱っこしようとすると全力で逃げるくせに、誰もいない日にはこっそり近くに寄ってくる。
そっけないけど、たまに見せる甘えがたまらなくかわいかった。