先輩、好きです。
「…山岸、あんたアレをかわいいと思えるの尊敬するわ」
「ダメだったか…。…つーか、そこまで汐織も気にするか?お前、口うるさいけど後輩にはそんなだろ」
持っていたタオルを山岸めがけて思い切り放り投げた。口うるさいは余計だ。
山岸が「おっと」と苦笑しながら受け止めるのを横目に、私は胸の奥がまだざわついているのを感じていた。
なんで、ただの後輩相手にこんな苛立っているのか?
そんなの、決まってる。
私は矢吹のプレーに魅了された。
一目惚れに近い感覚だったと思う。
だから勝手に期待して、勝手に裏切られた気分になって、勝手にショックを受けているだけ。
分かってる。そんなつもりじゃないってことくらい。
それでも、こんなみじめな思いをしている自分自身を受け入れたくなかった。
なんか私、振られたみたいじゃん。