先輩、好きです。



なんで、ただの後輩相手にこんな苛立っているか?

そんなの、決まってる。



私は矢吹のプレーに魅了された。

ひとめぼれに近い感覚だったと思う。



だから勝手に期待して、勝手に裏切られた気分になって、勝手にショックを受けているだけ。



分かってる。

そんなつもりじゃないってことくらい。


それでも、こんなみじめな思いをしている自分自身を受け入れたくなかった。




なんか私、振られたみたいじゃん。




「まだ入部したばっかだし、一年と三年に距離があるのは仕方ないって。翔が異常なんだよ」




そう言って山岸は、いつの間にかたたんでいたタオルを私の手の上に置いた。
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