Toxic・Romance
「どうしたの?月島。また法外要求された?」

 私の漏らした言葉をひろい、心配したらしい、隣から夜永さんが心配そうに覗き込んだ。あわてて別のチャットをひらく。

「いえ、なんでもないです……ちょっと疲れちゃったのかな〜……」

 アハ、とつくり笑いをすれば、夜永さんもまた、ため息をこぼした。

「疲れるよね〜対面でのやり取りなんて皆無じゃん?うちのオフィスって。事務的なメールばっかり押し付けてさ?」

「私たちのこと何だと思ってるんだろうね」

「高級美容液とか、お歳暮に蟹とか贈ってくれないと割に合わないよね」

「それな〜!」

 そこへ、べつのお姉さま方もくわわった。おかげで私は蚊帳の外。共感してくれるけれど、あいにく私は別のことで感動しているわけで、ほんの少しだけ申し訳ない。

「そういえばハグって疲れを取れる成分出るらしいよ」

「え、まじで?彼氏にしてもらお」

「てうちら、彼氏、いないんだった〜!!」

 がっくりとコントのように項垂れるお姉さまたち。すると夜永さんが「そうだ」と、声を上げた。

「じゃあ、みんなでハグしよ!月島、さあ!」

 手を広げる夜永さんに向かって「いいんですか!?いきます!」と、ためらいなくハグをした。

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