Toxic・Romance
好きな人がいた。素敵な人だった。
まぶしくて、きらきらしていて、考えるだけで胸がくるしくて、それから、しあわせだった。
私には幼なじみが二人いた。果音と、洸と、私。三人でいる毎日は、大好きで、大事で、宝物みたいだった。
好きな人がいた。私は洸のことが好きだった。
好きだと気づかれたら一緒にはいられないと思った。それでも一緒にいたい私は、自分の気持ちに蓋をして、絶対に気付かれないように、良い子を演じた。
好きな人がいた。いつからか洸は、果音と付き合い始めた。
大好きで、だいじな二人だった。
でも、その日から。ううん、わたしはきっとずっと、二人とひとりでしか無かった。
腹が立った。
幸せを祈らなくちゃいけなかった。ほんとうは、私が隣にいたかった?そんなの、関係ない。
好きな人の幸せを願うことができるのが、大人?
だったら私はこどもでいい。そんな稚拙な言い訳しかできない自分が、なにより腹立たしかった。