Toxic・Romance
「でも、こんな大規模なプロジェクトに、どうして私に声がかかったんでしょう……」
「本来なら外部のシナリオライターに委託しても良い案件だが、PRの……誰だったかな、ど忘れしたけれど、とにかく本部側の強い推薦で月島の名前が挙がった」
「あ……」
それって、まさか片桐さん……?
「推薦されたからと言って特別扱いはしないし、イメージとそぐわなかったら即下ろされるから気を引き締めてな」
絶対に片桐さんだ……!!!と、自分の中で不確かだけど絶対的な確信を持つ。
だったらなおさら、途中で下ろされるわけにはいかない。選ばれた理由を結果で証明しなくちゃ。
その日の夕方、私は指定された会議室に向かった。
グループ横断プロジェクトのキックオフ。いわば、顔合わせと決起集会を兼ねた場だ。
扉を開けると、すでに半分ほど席が埋まっていた。
スーツの人やカジュアル寄りの人、名刺を手に立ち話をしている人。部署も役割もまったく違う人たちが、ひとつの企画のために集まっている。ただ、
「(若いなあ)」
全体的に年齢層が若めだ。
不意に私の瞳は片桐さんを見つけた。さすがの顔面偏差値だ。この綺麗どころの中でもひときわ美しい。じいっと見つめていると、片桐さんと目が合う。彼の隣は空いている。知らない人だらけの空間で、知人を見つけた時の安心感はすさまじい。
片桐さんの隣に──
「お、月島さん?」
声をかけられて振り向くと、グループ会社の広報制作の男性だった。