Toxic・Romance
「片桐さんの評価が下がりませんか?」
「俺の評価、そんなに高かったんだ」
「(……確かに)」
そういえば、片桐さんの恋愛観は最低だった。
たまにお酒を飲まされそうになった。けれど、そんな時は片桐さんがかわりに飲んでくれた。私があまり、お酒に強くないって知っているからだろう。
たとえば、いま、彼は私にとって優しい人を演じているのかもしれない。
それはただしい優しさの形をしていないかもしれない。しかし、私にとって、それは優しさに変わりは無い。おそらく、こういうところが“騙されやすさ”に直結しているのだとおもう。これはきっと、間違いじゃない。
「えっ」
二次会がおわった。どこからが聞こえる話し声と、ぴかぴかとまばゆい繁華街は、深夜であることを忘れそうになった。中には次のお店に行く人もいるらしい。しかしここで、思いがけない失敗にきづく。
終電を逃してしまったのだ。
「月島さんの家までタクシーで帰るより、ネカフェの方が安く済むんじゃない?」
片桐さんはスマホで何かを検索しながら「ほら、近くにあるし」と、ネカフェの場所を教えてくれた。ネカフェ、私の知らない場所。
「行ってみる?」
それを察したらしい片桐さんは、視線だけで見下ろす。選択肢は他にいらなかった。