Toxic・Romance
印字されたレシートには部屋番号と、謎の“YK様”という名前。
「なんでKにしたんですか!?」
「は?夕結と馨でYK」
「あ、そっかそっか。なるほど」
どうやら深い意味はなかったらしい。深読みした私がばかみたいだな、と思いながら、静かな動作で前を歩く、片桐さんの後を追う。受付は狭かったけれど、中はすごく広々としていて、個室のドアが所狭しと並んでいる。
「そういえば、一部屋しか取ってないけどよかった?」
「それ今言います?」
「問題ないよね」
多分私が一人で無理そうだから、付き合ってくれたんだよね……。
納得していると、片桐さんはおもむろにドアを開けた。中は1.5畳程度の広さで、マットレスが敷かれていた。二人なら寝転がって見れそうだ。背の低いテーブルにはモニターが置かれており、シンプルだけどくつろげそうだと思った。
靴を揃えると片桐さんはジャケットを脱いだ。甘い香りがふわりと漂う。
ぼうっとその様子を眺めていると、片桐さんに手を出され、よく分からずその上に手をぽんと乗せると「違う、うわぎ」と言われ、あわててジャケットを脱いで渡した。
それから、二人並んで座る。広いと感じていたけれど、やっぱり狭い。ジャケットを脱いだから、薄いシャツ越しに肩と肩が触れ合う。