Toxic・Romance
「……え、まさか図星だったんですか?」
「んー、そうだよ?」
「嘘ですね。嘘ですよね、その言い方は」
「はは、うん、嘘」
「もう、どっちです、」
言葉の途中、髪を撫でていたその手は私のうなじを引き寄せ、語尾を消すように塞がれた唇。
最初は、ただ触れるような、たしかめるだけの口づけだった。顔が離れて、目が合って。次の瞬間、容赦なく押しつけられた唇の圧力に、視界の端でちいさなちいさな火花が散る。
「ん……、」
私のうなじを掴む指先から、あらがえない熱が伝わってくる。くちびるの隙間から吐息が流れ込み、私の呼吸をうわがきしていく。そのキスに躊躇いなんてどこにもない。
背中がつらい。前かがみに苦しさを感じていれば、身を乗り出した彼は私の背中に手を回し、キスをしながらも座り合う形になった。それでもつらくて、するとゆっくりと押し倒されて、背中は楽になった。
互いの咥内で粘膜が擦れ合う音が、鼓膜の奥で濡れた残響となってひびく。そのたび、あたまの芯があまく痺れて、積み木のように重ねてきた思考が音を立てて崩れていく。