Toxic・Romance
その後も新作のたまごはなかなか育たなかった。

いっそ、相撲小説はどうだろう。

力士に恋をして、相撲に青春を捧げるマネージャー……!私得でしかない……!

趣味と謳っているのは事実だ。けれど、読者の言葉は気になる。気になるよ。そりゃあ人気作を書きたい。出来るなら私も、上位ランカーと肩を並べてみたい。

 上位ランカー……。

 空き時間にスマホを開いて、自作を並べているサイトのランキングを眺めた。常に上位ランカーに居座る「雨木つゆ」さんはモチーフも多彩で、いろんなジャンルの小説を執筆している。引き出しが豊富な人を見ると、嫉妬よりも尊敬が大きい。

 デスクの上に、はあ、とため息を吐き出してパソコンを開くと、メールが届いていることに気づいた。

「……げえ、またこの人からメール届いてる……」

その瞬間、憂鬱はさらに増大した。



 
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