Toxic・Romance
「月島、やなことあったの?」
時間になり先輩方に連なって歩いていると、一人の先輩が声をかけてくれた。夜永さんは入社して半年間、OJTとして私を担当してくれたひとで、おかげで、私はすっかり夜永さんを信頼している。
「え……なんで」
「やなことあった時の月島、饒舌になる気がするんだよなあ。逆に、何か考え事をしている月島は楽しそうにしてる」
夜永さんはふふんと笑うと「違った?」と、誇らしげに笑った。美人な夜永さんは笑うととてもチャーミングだ。
「夜永お姉さま〜!」
私はその笑顔に絆されてしまっている、そんな自覚がある。
「何か困ったことがあったら、すぐに言ってね。私も頼りにしてるから」
けれど、例えば小学生来の親友にも、私に助言をくれる兄にも、信頼する先輩にさえ、Web小説を書いてます!とは、口が裂けても言えない。
萌生ゆるは私自身だ。それも月島夕結とは決して混ざらない、もう一人の自分だ。
これは完全に持論だけど、ふたつを重ねた瞬間、物語の純度は壊れてしまうと思う。
だから、誰にも言わない。
言わないんじゃない。多分、言えないの。
時間になり先輩方に連なって歩いていると、一人の先輩が声をかけてくれた。夜永さんは入社して半年間、OJTとして私を担当してくれたひとで、おかげで、私はすっかり夜永さんを信頼している。
「え……なんで」
「やなことあった時の月島、饒舌になる気がするんだよなあ。逆に、何か考え事をしている月島は楽しそうにしてる」
夜永さんはふふんと笑うと「違った?」と、誇らしげに笑った。美人な夜永さんは笑うととてもチャーミングだ。
「夜永お姉さま〜!」
私はその笑顔に絆されてしまっている、そんな自覚がある。
「何か困ったことがあったら、すぐに言ってね。私も頼りにしてるから」
けれど、例えば小学生来の親友にも、私に助言をくれる兄にも、信頼する先輩にさえ、Web小説を書いてます!とは、口が裂けても言えない。
萌生ゆるは私自身だ。それも月島夕結とは決して混ざらない、もう一人の自分だ。
これは完全に持論だけど、ふたつを重ねた瞬間、物語の純度は壊れてしまうと思う。
だから、誰にも言わない。
言わないんじゃない。多分、言えないの。