Toxic・Romance
片桐さんのお家のお犬様をぼんやりと眺めていると、しゅぽッとメッセージを受信する音がした。
《可愛いね》
表示されたのは寝顔だった。けれどもその寝顔は一瞬、誰かわからなかった。誰の画像だろう……もしかして、片桐さんの……と刹那的にさまざまな予想を立てた後、これは私だときづいた。
「!?」
きづいてからは、混乱した。
《うちの子》
新しいメッセージが追加されて困惑は深まった。
私は子犬と同等の扱いってことですか、そうですか。
《隠し撮りは良くないです》
《一応言った》
《聞いてないです》
《撮りました》
事後報告……!?そんな暴挙がゆるされるのか。あんなふうに仕事を押し付ける人なので、許されても仕方がない。
《消してくださいね》
《気が向いたらね》
これは聞いてくれそうにないし、メッセージではらちが明かない。そう思って通話にした。私の判断は間違いじゃなかったはずだ。抗議を込めて通話したのに「今日何食べたの」と、途中から雑談になり、さらにビデオ通話に変えられてしまい、結局寝る直前まで喋ってしまったから、抗議は結局不完全なままだ。