Toxic・Romance
やくそくの金曜日。ちょっと特別な金曜日。事前に《何が食べたいですか》と聞けば《特にないかな。オススメはある?》と聞かれたので今食べたいものを何となく思い浮かべ《焼肉とかどうですか!?》と、全人類好きであろうメニューを提案した。
《じゃあ俺が予約しておくよ》
《よろしくお願いします!》
予約してくれた方が安心だよね。さすが片桐さん、気が利くなあ……!
「(て、普通私が予約すべきだったのでは?)」
まあいいや、焼肉のお金は私が出そう!
リベンジと言っているのだから、今日は絶対に奢る。絶対に絶対!
意気込んで待ち合わせた。片桐さんが案内したお店は有名チェーン店ではなく、個人経営らしい完全予約制のお店だった。
「(てっきり、食べ放題だと思った……!)」
雰囲気のある店内にて、片桐さんは店員……というよりオーナーらしき人と話していた。
「お、馨じゃん」
「久しぶり」
「久しぶり〜って、こないだ会ったよな?で、だれ?彼女?」
「ちがう。この子はグループ会社の後輩。こっちは大学の時の友人」
グループ会社の後輩……か。たしかに、私たちは友人でもなく、仲間でもない。すごく薄っぺらな関係だ。
「はじめまして……えっと、お世話になります……?」
「あはは、こちらこそ」
そんな片桐さんのプライベートに、もうすこし踏み込む。