Toxic・Romance


 やくそくの金曜日。ちょっと特別な金曜日。事前に《何が食べたいですか》と聞けば《特にないかな。オススメはある?》と聞かれたので今食べたいものを何となく思い浮かべ《焼肉とかどうですか!?》と、全人類好きであろうメニューを提案した。

《じゃあ俺が予約しておくよ》

《よろしくお願いします!》

 予約してくれた方が安心だよね。さすが片桐さん、気が利くなあ……!

「(て、普通私が予約すべきだったのでは?)」

 まあいいや、焼肉のお金は私が出そう!

 リベンジと言っているのだから、今日は絶対に奢る。絶対に絶対!

 意気込んで待ち合わせた。片桐さんが案内したお店は有名チェーン店ではなく、個人経営らしい完全予約制のお店だった。

「(てっきり、食べ放題だと思った……!)」

 雰囲気のある店内にて、片桐さんは店員……というよりオーナーらしき人と話していた。

「お、馨じゃん」

「久しぶり」

「久しぶり〜って、こないだ会ったよな?で、だれ?彼女?」

「ちがう。この子はグループ会社の後輩。こっちは大学の時の友人」

 グループ会社の後輩……か。たしかに、私たちは友人でもなく、仲間でもない。すごく薄っぺらな関係だ。

「はじめまして……えっと、お世話になります……?」

「あはは、こちらこそ」

 そんな片桐さんのプライベートに、もうすこし踏み込む。
< 167 / 249 >

この作品をシェア

pagetop