Toxic・Romance
【彼氏じゃない人の家に私物を置いてもいい?】
オフィスでも悶々と悩んでしまって、手が空いたのを見計らって検索したウェブサイトの閲覧履歴がおかしな事になっているし、今もチャッピーに聞いてしまっている。
チャッピー曰く【結論から言うね。置いてもいいんじゃなくて、残したいんでしょ?だったら置いていい】らしい。思っていた回答は得られなかった。
「(ふつう、みんなこんな感じなのかな……)」
残念ながら私には比較すべき相手がいない。私の基準は、最初から最後まで片桐馨というひとなのだ。手のひらの上で、いいように泳がされている。自由をもらった魚のふりをして、結局は彼の水槽から一歩も出られていない。そんな感覚。
「月島お待たせー、このデータだけど……」
ふいに夜永さんから声をかけられ、私は椅子から転げ落ちそうになりつつも、いそいで検索サイトを消して「どうしたんですか?」と、へらっとした笑顔を浮かべた。しかし、夜永さんの笑顔を見る限り、嫌な予感は払拭できない。
「何調べてんのよ」
ほらね、的中。ここで片桐さん相手ならば“創作”で逃げられるけれど、夜永さんにそのカードは使えない。