Toxic・Romance

 繋がれた指先に、私も力を込めた。その指先は力強く握り返してくれる。

「……彼女、できたんですか?」

 吐き出した声は震えた。けれど片桐さんには伝わったらしく「俺に?出来てないよ」と、すぐに彼は否定した。

「でも、さっき話してたじゃないですか」

「話したけれど、肯定もしてないよ」

「(確かに……)」

 ということは、私の勘違い?

「本当に?」

 疑いの目を向けた。だって、彼氏持ちとしか遊ばないとか言っていた片桐さんなのだ。あの!最悪な恋愛観をお持ちの男なのだ。

「本当。さっきの電話確かに女だけど、いもうと。ほら」

 そう言って、片桐さんは私にスマホを見せた。星菜、と表示された着信履歴には、男性とおぼしき名前や会社、私の名前がある。

「……妹さんの名前、私、知りませんし」

星菜(せいな)

 ちゃんと示してくれているのに、簡単にみとめたくないのは何故か。すると片桐さんはわたしの目の前でスマホを操作し、メッセージアプリを開いた。

「これ、LINE。欲しいものがある時だけ甘えてくんの」

「(……本当だ……)」

 その中で片桐さんは、お兄ちゃん、と呼ばれているので、嘘ではないらしい。
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