Toxic・Romance

「(おかしい……)」

 こういう時はぜったいに何かあるって相場が決まってる。純粋な人気を信じられない私はSNS上でエゴサーチしてみた。ほとんど動きはないけれど、一応、アカウントを所持しているのだ。

 すると、まあたらしい投稿を発見した。

《萌生ゆるさんの作品、実は更新をずっと追ってる。恋が始まる瞬間って、不器用で尊い。派手な展開はないけれどページをめくる手が止まりませんでした。萌生さんの言葉選びが好きです》

「えっっ!?」

 たまらず声が出た。もちろん、感想だけでもうれしいのに、その発言はなんと雨木つゆさんだったのだ。

「(こ、これはお礼を伝えるべき……!?)」

 悩ましい。馴れ馴れしいと思われないだろうか。叱られないだろうか。

『一人でできることでも、誘ってくれるとうれしいよ』

 不意にいつかの言葉が思い出された。指が動くのは必然だった。

《話したことがない人が、自分のことを応援してくれている時はどうしたらいいですか》

 悩みを抱えた時、相談相手になってくれる人がいる。こんなに心強いことはない。それが片桐さんなら、怖いものはない。

《無視》

 しかし、片桐さんはいつもながら冷たくて、スーパーヒーローには程遠い。
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