Toxic・Romance
自分で考えろってことかあ……!
そう受け取る。だって、片桐さんは基本的に甘いけれど厳しいひとだ。
《趣味の話?》ときかれて《そうなんですよ》お返事をした。すぐに既読マークがついた。
《俺は無視するけど、ゆーゆはちがうでしょ》
既読マーク直後の返事は信頼関係の証だと勝手に解釈している。それから、夕結ではなく、ゆーゆと言う片桐さんがいちいち可愛い。
《お礼だけでも伝えてみます!》
片桐さんが介入するととても単純になるわたしは、ダイレクトメッセージを通してメッセージを送ることにした。何度も消しては書き直し、お礼とは名ばかりのファンレターのような文になってしまったけれど意を決して送った。あまり返事は期待していなかった。だって、神様みたいな人で、雲の上の存在なのだ。
クライアントに送るよりも緊張しつつメールを送り終えると、片桐さんに《送りました!がんばったので褒めてください!》と甘えてみれば、信頼の既読マークがついた直後、着信が届いた。
「どうしたんですか?」
当たり前に、秒で出る。
「え?がんばったから褒めて欲しいんじゃないの?」
「そうですけど……改めて聞くとすごくおかしいですね。頑張ってお礼を伝えたから褒めて」
「あまり他では見ない要望ではあるよね」
「過去の恋人たちから、同様の要望を受けたことはありますか?」
「無いよ」
「ということは、片桐さんにとっての初めてですね!?やった!」
単純な私はこれだけで大いに喜ぶ生き物だ。